QPS研究所(5595・東証グロース):衛星事業拡大も減損損失で大幅損失を計上
- funbunm
- 7月31日
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【2025年5月期 経営成績】
- 売上高:2,681百万円(前期比62.1%増)
- 営業利益:85百万円(同75.0%減)
- 経常損失:210百万円(前期は207百万円の利益)
- 親会社株主に帰属する当期純損失:1,848百万円(前期は427百万円の損失)
【2026年5月期 業績予想】
- 売上高:4,000百万円(前期比49.2%増)
- 営業損失:2,200百万円(前期は85百万円の利益)
- 経常利益:600百万円(前期は210百万円の損失)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:500百万円(前期は1,848百万円の損失)
【株価・出来高推移】
開示前営業日(7月10日):2,082円(開示日比0.9%低)、10,536,500株(開示日比54.1%高)
開示日(7月11日):2,100円、6,835,600株
翌営業日(7月14日):2,098円(開示日比0.1%低)、30,181,400株(開示日比341.5%高)
2営業日後(7月15日):1,895円(開示日比9.8%低)、17,472,100株(開示日比155.6%高)
3営業日後(7月16日):1,933円(開示日比8.0%低)、8,523,600株(開示日比24.7%高)

【アナリストコメント】
同社は小型SAR衛星を活用した地球観測データ事業を展開しており、2025年5月期においても衛星コンステレーション構築に向けて着実な進展を見せています。当期中に7号機「ツクヨミ-Ⅱ」の定常運用開始、8号機「アマテル-Ⅳ」、9号機「スサノオ-Ⅰ」、10号機「ワダツミ-Ⅰ」の3機の商用機打上げに成功するなど、技術面での実績を積み重ねています。
一方で、5号機「ツクヨミ-Ⅰ」の通信系不具合による減損損失1,636百万円の計上が業績に大きく影響し、当期純損失1,848百万円となりました。ただし、これは一時的な要因であり、衛星事業の本質的な成長性に変化はありません。売上高は前期比62.1%増の2,681百万円と順調に拡大しており、宇宙関連予算の継続的増加も追い風となっています。
資金面では新株予約権の発行・行使により8,000百万円超の資金調達を実施し、現金及び預金残高は11,833百万円まで増加しています。宇宙戦略基金からの支援も正式決定しており、コンステレーション構築に向けた財務基盤は一層強固になりました。2026年5月期は売上高4,000百万円、当期純利益500百万円を予想しており、利益転換を見込んでいます。
開示前後の株価推移を分析すると、開示前営業日の2,082円から開示日には2,100円(0.9%上昇)、翌営業日2,098円、2営業日後1,895円、3営業日後1,933円と推移しました。出来高は開示日に6,835,600株となり、翌営業日には30,181,400株(341.5%増)まで急増し、投資家の強い関心を表しています。この市場反応は減損損失の一時性と衛星事業の将来性を投資家が冷静に評価していることを表しており、翌営業日以降の大幅な出来高増加が注目度の高さを物語っています。
※7月11日発表「2025年5月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」より