坪田ラボ(4890・東証グロース):4年ぶり過去最高業績を達成、損失から大幅利益転換
- funbunm
- 6月10日
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【2025年3月期 経営成績】
- 売上高:1,357百万円(前期比101.5%増)
- 営業利益:235百万円(前期649百万円の損失から利益転換)
- 経常利益:281百万円(前期636百万円の損失から利益転換)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:205百万円(前期641百万円の損失から利益転換)
【2026年3月期 業績予想】
- 売上高:1,400百万円(前期比3.2%増)
- 営業利益:200百万円(同15.1%減)
- 経常利益:220百万円(同21.9%減)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:150百万円(同27.1%減)
【アナリストコメント】
同社は慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業として、近視、ドライアイ、老眼、脳疾患などの革新的な治療法開発に注力しており、2025年3月期は売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも4年ぶりに過去最高を更新する大幅な業績改善を実現しました。売上高については前期比101.5%増の1,357百万円となり、前期の673百万円から約2倍の成長を遂げています。営業利益は前期649百万円の損失から235百万円の利益へと大幅な利益転換を果たし、同社の収益基盤が着実に強化されていることを示しています。
この好業績の背景には、国内外のパートナー企業との4件の導出契約締結が大きく寄与しています。特に中国市場では、Shenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd.との特定特許に関する独占実施許諾契約や、Beijing Yijie Pharmaceutical Technology Co., Ltd.とのTLG-001に関するライセンス契約締結により、海外展開の基盤が確立されました。また、ロート製薬株式会社との開発中点眼薬に関する独占評価契約締結など、国内での事業化推進も順調に進展しています。
研究開発面では、バイオレットライト技術を用いた医療機器TLG-001の検証的臨床試験において全被験者の治療期間が終了し観察期間に移行したほか、点眼薬TLM-003がロート製薬株式会社との長期開発契約のもとで第Ⅰ相臨床試験を完了し安全性が確認されるなど、主要パイプラインの開発が着実に進捗しています。脳疾患領域でも、バイオレットライト技術を応用したTLG-005によるパーキンソン病、うつ病、軽度認知障害を対象とする特定臨床研究を終了し、安全性確認とともにうつ病では有効性が示唆される結果を得ています。
2026年3月期については、各パイプラインの価値最大化を図るべく日本、中国、欧州、米国、その他アジア諸国などを対象とした最適なパートナー企業への導出活動を積極的に推進する方針です。売上高は前期比3.2%増の1,400百万円を見込んでおり、実施許諾契約に基づく契約一時金やマイルストーン収入、上市後のロイヤリティ収入等による安定的な成長を目指しています。同社は研究開発投資として550百万円を計画しており、グローバル市場における競争力強化と長期的な企業価値向上に向けた取り組みを継続してまいります。
※5月12日発表「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」より