ispace(9348・東証グロース):売上倍増も先行投資により損失拡大、ミッション2順調進捗で将来に期待
- funbunm
- 6月4日
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【2025年3月期 経営成績】
- 売上高:4,743百万円(前期比101.2%増)
- 営業利益:9,795百万円の損失(前期は5,501百万円の損失)
- 経常利益:11,334百万円の損失(前期は6,097百万円の損失)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:11,945百万円の損失(前期は2,366百万円の損失)
【2026年3月期 業績予想】
- 売上高:6,200百万円(前期比30.7%増)
- 営業利益:11,500百万円の損失(前期は9,795百万円の損失)
- 経常利益:8,300百万円の損失(前期は11,334百万円の損失)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:8,300百万円の損失(前期は11,945百万円の損失)
【アナリストコメント】
同社が事業展開する宇宙資源開発業界では、民間宇宙企業による月面探査活動への期待が高まっています。特に、米国のアルテミス計画には2025年3月末時点で日本と米国を含む全53の国及び地域が調印するなど、国際的な月面探査への機運が高まっています。日本政府も宇宙戦略基金として宇宙航空研究開発機構(JAXA)に10年間で総額1兆円規模の支援を予定しており、同社も第1期採択事業に中核的連携機関として参画するなど、政府からの強力な支援も期待されます。
2025年3月期における売上高の大幅増加は、主力のミッション3に関するペイロードサービス契約が順調に進捗したことによるものです。同社は現在、日米両拠点で複数のミッションを並行開発しており、ミッション2については2025年1月15日に打ち上げが実施され、2025年5月9日時点で設定した10個のマイルストーンのうち7段階目まで順調に達成しています。総額16百万米ドルのペイロードサービス契約に基づき、引き続き収益計上が見込まれます。
一方で、ミッション3については発注先のエンジン部材の納品遅延により、打ち上げ時期を2026年から2027年に約1年間延期することを決定しました。これにより当初予定よりも売上計上時期が後ろ倒しになる見込みですが、総契約金額65百万米ドルの規模は変わらず、NASA及びドレイパーとの良好な関係も継続しています。
2026年3月期の業績予想では、SBIR補助金120億円を活用したミッション4の開発が本格化することで開発費用が増加する見込みですが、同補助金による収入が営業外収益として計上されるため、当期純損益の改善が期待されます。同社では会計上の売上高にSBIR補助金からの収入を合計した「プロジェクト収益」ベースでは約倍増の成長を見込んでおり、事業の実態的な成長が確認できます。
※5月9日発表「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」より