株式会社ビザスク(4490・東証グロース):知見プラットフォーム事業でV字回復、利益転換を果たす
- funbunm
- 5月26日
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更新日:5月30日

【2025年2月期 経営成績】
・営業収益:9,780百万円(前期比9.1%増)
・営業利益:1,227百万円(前期は59百万円の損失)
・経常利益:1,211百万円(同978.0%増)
・親会社株主に帰属する当期純利益:477百万円(前期は12,635百万円の損失)
【2026年2月期 業績予想】
・営業収益:10,667百万円(前期比9.1%増)
・営業利益:1,030百万円(同16.1%減)
・経常利益:1,035百万円(同14.5%減)
・親会社株主に帰属する当期純利益:480百万円(同0.6%増)
【アナリスト所見】
ビザスクの2025年2月期決算は、知見プラットフォーム事業の着実な成長により前期の営業損失から一転して営業利益1,227百万円を計上し、大幅な損益改善を実現した。前期に約145億円の巨額減損損失を計上した反動もあり、親会社株主に帰属する当期純利益も477百万円のプラスに転じている。
事業別では、国内事業法人向け事業が前年比約11%成長、国内ENS事業(コンサルティング・ファーム、金融機関等向け)が約13%成長するなど、主力事業が堅調に推移した。特に海外エキスパートも含めた全エキスパートネットワークの活用により、海外知見への需要を効率的に取り込めるようになった点は競争力強化の証左である。
財務面では、営業活動におけるキャッシュ・フローが927百万円の収入となり、前期並みの水準を維持している。現金及び現金同等物は4,606百万円と十分な流動性を確保しており、投資余力も健全である。減価償却費が大幅に減少(819百万円→53百万円)したのは前期の減損処理効果であり、今後の収益構造改善に寄与している。
来期については、取扱高15,700百万円、営業収益10,667百万円と引き続き成長を見込んでいる。調整後EBITDAは880百万円(前期比15.7%減)と若干減少予想だが、これは事業拡大に向けた先行投資によるものと推測される。同社が掲げる「知見と、挑戦をつなぐ」というミッションの下、国内の知見市場でのシェア拡大余地は大きく、中長期的な成長ポテンシャルは高い。
懸念材料としては、主要顧客であるマッキンゼーやBCGなどのコンサルティング・ファームの需要動向に業績が左右されやすい点が挙げられる。しかし、事業法人向けサービスの拡充や海外展開の加速により、顧客基盤の多様化が進んでおり、リスク分散も図られている。グローバルな知見ネットワークの構築と、AI・デジタル技術を活用したマッチング精度の向上により、さらなる競争優位の確立が期待される。
※2025年4月11日発表 決算短信より