EduLab(4427・東証グロース):訴訟・紛争に関するIR情報を発表
- funbunm
- 7月29日
- 読了時間: 3分

【訴訟の概要】
- 当事者:個人株主1名が元会計監査人である有限責任あずさ監査法人に対して訴訟を提起
- 請求内容・争点:
- 主位的請求:令和3年9月期及び令和4年9月期の監査に係る監査報酬相当額543,306,000円及び遅延損害金の支払い(監査意見形成に必要な範囲を超えた監査証拠収集による善管注意義務違反)
- 予備的請求:平成30年9月期乃至令和2年9月期までの監査に係る監査報酬相当額92,975,000円及び遅延損害金の支払い(過年度の会計監査が不十分であったことによる善管注意義務違反)
- 状況:株主代表訴訟として東京地方裁判所に提起(令和7年(ワ)第70265号)
- 日付:2025年6月20日に訴訟提起、2025年6月20日に同社が訴訟告知を受領
- 業績への影響:同社は元会計監査人に対する訴訟であり、同社の業績に影響を及ぼすものではないと判断
【株価動向】
開示前営業日(6月20日):442円(開示日比6.3%高)、1,527,400株(開示日比883.5%高)
開示日(6月23日):416円、155,300株
翌営業日(6月24日):418円(開示日比0.5%高)、385,600株(開示日比148.3%高)
2営業日後(6月25日):409円(開示日比1.7%低)、115,000株(開示日比25.9%低)
3営業日後(6月26日):405円(開示日比2.6%低)、85,000株(開示日比45.3%低)

【アナリストコメント】
同社の株主代表訴訟に関する開示は、個人株主1名が同社の元会計監査人である有限責任あずさ監査法人に対して損害賠償を求める訴訟を提起したものです。訴訟の争点は、令和3年9月期及び令和4年9月期の監査において、特別調査委員会の設置や複数回にわたる調査及び自主点検の実施など、監査意見を形成するために必要な範囲を超えて監査証拠の収集を実施したことが会計監査人の善管注意義務違反に該当するというものです。主位的請求として5億4330万6000円、予備的請求として9297万5000円の監査報酬相当額及び遅延損害金の支払いを求めています。
同社は本件訴訟が元会計監査人に対するものであり、同社の業績に影響を及ぼすものではないと判断しています。しかしながら、株主代表訴訟という性質上、過去の監査プロセスや内部統制に関する問題が改めて注目される可能性があり、企業ガバナンスや監査体制に対する投資家の信頼性に影響を与える懸念があります。訴訟の背景となった特別調査委員会の設置や複数回の調査実施は、過去に何らかの会計上の課題があったことを示唆しており、同社の過去の経営体制や内部統制の有効性について投資家の関心が高まることが予想されます。
開示前後の株価推移を分析すると、開示前営業日の442円から開示日には416円(5.9%下落)、翌営業日418円、2営業日後409円、3営業日後405円と推移しました。出来高は開示前営業日に1,527,400株と異常に高い水準を示し、開示日比で883.5%高となっており、訴訟情報の事前流出や投資家の警戒感を表しています。この市場反応は株主代表訴訟の開示内容が投資家にネガティブに評価されたことを表しており、企業ガバナンスへの懸念や過去の監査問題に対する不安感が株価下落の要因となったものと分析されます。開示前営業日の異常な出来高急増は情報の事前漏洩の可能性を示唆しており、その後の継続的な下落トレンドは投資家の慎重姿勢を反映したものと考えられます。
※6月23日発表「株主代表訴訟に関するお知らせ」より